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2018年の酒コンペを締めくくったSAKE Selection

2018 12.12

2018年で創設25周年を迎えたブリュッセル国際コンクール。長きに渡って積み上げられた歴史と伝統のみならず、審査に際しては公正さ、一貫性を重視し、受賞酒にはチームを組んで継続的なプロモーションを行うなど、信頼とフォローの良さ。これから輸出を考える酒蔵にとって魅力的な要素も多いでしょう。第1回となる今回の審査会場は三重県。そして、表彰会場は駐日ベルギー大使館。日本へ結集した審査員には日本の文化に触れる機会を、式典に参加した蔵元さんたちにはベルギーの文化に触れる機会ともなったようです。

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新酒の声が聞こえる3月は、各地の酒蔵で、全国新酒鑑評会への出品酒を決める時期。酒蔵が最も緊張に包まれる時期とも言えます。それらが届けられ、利き酒し評価される5月には一喜一憂する声が届けられます。

今年、2018年は、それからというもの、毎月の様に様々な鑑評会、コンペティションの話題が尽きなかった一年に思えます。その最後を締めくくったのはブリュッセル国際コンクールの日本酒部門「SAKE Selection」。受賞酒の表彰と、最終結果・トロフィー受賞酒の発表でした。都内2番町の近代的なビルにある駐日ベルギー大使館で表彰セレモニーとアフターパーティが行われました。

 

 −− 表彰セレモニー −−

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ブリュッセル国際コンクール・SAKE Selection代表、トマ・コストノーブル氏が、開会のスピーチで、

「最高の日本酒を探し出して表彰するだけが私たちの仕事ではありません。私たちの強い願いは、最高峰の日本酒を見出し、最高峰の国際市場でアピールすることなのです。すでに、。12月のアメリカ。2月のベルギー、イタリア、フランスで、トロフィー酒対象、受賞酒全て対象などのとプログラムも決定しています。」

そう語ったように、目的のはっきりしたコンペティションと言えます。

 

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サケ・セレクション審査委員長のシルヴァン・ユエ氏は、パリで2013年10月から毎年、開催される大規模な日本酒イベント『サロン・ド・サケ』を主宰していることでもおなじみ。「技術専門家として選ばれた事は非常に名誉なこと。審査委員長として、完成性、中立と尊厳を保証する趣旨に沿うよう心がけ、実践しました。日本文化を尊重するとともに日本酒の現代化も伝えていきます。現実味のある審査を行うため、温度帯にもこだわり、微細な調整も出来るようにしました。すべての受賞蔵が日本での成功のみならず、世界の新たな市場へ踏み出すきっかけになるように全力で後押ししていきます」 と語ったが、温度帯にも配慮した審査だから応募したという蔵元さんもいらっしゃいました。

開会のメッセージのに続いて、今年スタートした「SAKE Selection」に於ける、これまでの活動がスライドで紹介されました。

 

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上の写真は10月に三重県で行われた、記念すべき第1回審査会の様子です。5~6人ほどのグループに分かれ、グループごとにディスカッションして評価を決定していく、ワインの審査で行われるスタイルで進められます。日本での審査が減点方式なのに対して、ワインは加算方式になっています。

 

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審査を終え、午後は日本酒の故郷を訪ねていただく時間。酒蔵見学はもちろん、酒造りの背景も含めてのお酒ですから、伊勢神宮参拝、海女の牡蠣小屋訪問など、日本の、三重の様々な文化にふれられたようです

授賞式に華を添えるミス日本酒お二人が登場し、いよいよトロフィー酒の発表です。

 

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純米大吟醸酒「車坂山廃純米大吟醸」株式会社吉村秀雄商店(和歌山県)

「プラチナ賞をいただき感激していたのですが、さらに、トロフィー賞ということで、頭が真っ白です。米の旨みが生き酸の効いた食中酒、ご飯が、お酒が美味しかった、と言えるお酒を造りたい、という思いで造ってきました。そんなお酒が受賞したということは、食中酒の良さも認められたことと嬉しく思います 」

 

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純米吟醸酒「今錦純米吟醸」米澤酒造株式会社(長野県)

「本来は寒天メーカーなのですが、地元の酒蔵を残したいと4年前に引き継ぎ、社長と共に夢中でやってきました。いろいろ試し、いろんな方に助けていただいてきたおかげでこのような良い結果なったと思います。“良い会社を作りましょう”という社是のもと、みんなで良いお酒を作っていきます」

 

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純米酒「會津宮泉純米酒」宮泉銘醸株式会社(福島県)

「どれだけストイックに酒造りをしてきたかということが、こういう結果につながったこと、非常に嬉しく思います。本日体調不良で来られなった社長でもある兄が、酒造りの設計から全て行い、彼をはじめ、みんなが最も大切にしている純米酒で受賞できたことが何より嬉しことです。ありがとうございました」

 

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吟醸酒(大吟醸酒含む) 「燦然大吟醸原酒」菊池酒造株式会社(岡山県)

「小さな蔵ばかりですが、地元にずらりと並ぶ中でも燦然と輝く蔵でありたいとつけた名前です。実は、何か特徴のあるものをと思い、社長である私自身が、平成8年から杜氏を担当して酒造りを行っています。蔵の中ではずっとモーツァルトをかけているので、モーツァルトが届けてくれた賞かとも思います」

 

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本醸造酒あたごのまつ鮮烈辛口」株式会社新澤醸造店(宮城県)

  「震災で県内の川崎というところへ移転し、製造を続けてます。私は、この春から杜氏をさせていただいていますが、移転してからの入社ですので、以前からの方々など多くの方から教えていただいて、みんなで作造ったお酒がこのように評価されて、とても嬉しく思っています。ありががとうございます」

 

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スパークリング日本酒真澄スパークリング」宮坂醸造株式会社(長野県)

「日本では、乾杯から日本酒でいってもらいたい、それにはシャンパンと同じ本格的な瓶内二次発酵のおさけをと、2009年から数々の失敗も繰り返してここまできました。品質をさらに上げて、2020年の東京オリンピックでも、メダリストの方々の乾杯には、スパークリング日本酒で乾杯していただけたら、と願います」

 

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熟成古酒超特撰白雪江戸元禄の酒」小西酒造株式会社(兵庫県)

「ユニークな酒、新しい酒を目指して造っておりますが、この酒は1702年、赤穂浪士の討ち入りの際のもので、当社にございます古文書を紐解いて造ったお酒です。水は現在の半分ほど、米の磨きも88%、それを9年寝かせています。ヨーロッパの方たちが、日本酒の幅広さという中で評価していただけたことはとてもありがくた思います」

 

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特別賞(最多受賞酒蔵) 株式会社宮﨑本店(三重県)  プラチナ2部門・ゴールド1部門・シルバー1部門

「第一回であり、地元三重県で開催された大会での受賞はとても光栄です。今回は今年、新設した酒蔵で作ったお酒でチャレンジしました。私はとても期待しておりましたが、杜氏にはプレッシャ―だったと思いますので、高評価をいただき、自信にもなり期待もできます。この結果に安住することなく邁進し、三重から世界へ打ってきたいと思いま-+ 突然のオーダーだったようですが、それゆえに、素の気持ち、いつも酒造りに向かう時の気持ちが言葉となり、想いの伝わる、こころに響くメッセージが続きました。 8人の受賞者を過去んでの記念撮影を終えると、いわゆる、直会、アフターパーティです。

 

 

−− アフターパーティ −−

緑のテラスも見えるフロアなど、ぐっとスペースを広げて、パーティの始まりです。 ASSL1121_16 ASSL1121_17

主催者の予想をはるかに超えて、蔵元さんたちが集まっくれたことが、一目瞭然の混み具合。期待のほどが伺えます。

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大使館の方のスピーチでは、「今年25周年を迎えられましたベルギー国際コンクールに、ワイン同様に伝統と地域特性の豊かなな日本酒が加わったことは、よろばしいことです・昨年合意をしまして、今年発行しました日本とEUによるお酒の通商交渉により、日本酒ももっとEUへ出て行きやすくなることでしょうし、ベルギーのチーズやビールがもう少し日本で売れてくれればいいなと願います」とのことで、期待も高まります。

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最後に、運営事務局を代表して、百五総合研究所代表取締役社長・荒木康行氏から、伊勢志摩サミットを時きっかけとして始まった、 今回の壮大なプロジェクトの苦労と魅力が語られました。 「今日来てくれているカリンさんとトマさんとのやりとりがほとんどで、無理難題を突きつけられました. 、私も無理難題でお願いした、そうして、信頼関係が生まれていった。彼らは”信頼”というに日本語を覚えてくれました。こういった苦労は、実はどうでもいいんです。問題はここから、蔵元さんたちの素晴らしいお酒が、どうやったらいい形で世界へ出ていけるか。これから、ニューヨーク、ベルギー、パリ、ミラノと、続く展示会。ブリュッセル国際コンクールによるSAKE Selectionは、こういったフォローが素晴らしいポイントなのです」 来年度の開催地は現在、数箇所から希望があり、検討中とのことです。

 

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フロム・ベルギー&フランスの主催者チーム、通訳の方とともに。右から2人目はブリュッセル国際コンクール・SAKE Selection役員・カリン・メリオ氏、お疲れ様でした。+ 酒蔵の多くは家族経営の延長線上にあり、造るだけで精一杯、首都圏へ営業で人を出すのもやっとのこと、ということが少なくないところですが、だからこその魅力もあります。その気持ちがあれば、チャンスもある。一歩踏み出すチャンスが。

2018年の酒コンペを締めくくったSAKE Selection

written by伝々

【伝々(でんでん)】こと、ライターの伝農(でんのう)浩子です。 音楽雑誌編集部や旅行を扱う編集プロダクションを経てフリーランスに。 国内外を扱うガイドブックで取材スタッフを続けた後、人物インタビュー、中でも日本に住み日本の伝統文化を継いでいる外国人、日本の伝統文化を海外に広めている人などを、また、ビアトリクス・ポターと「ピーターラビット」シリーズなどをテーマに取材、執筆、撮影。 その一方で、1993年から、ある日本酒の会の試飲会を手伝い、幸せそう〜に帰っていく人たちを見送ってきました。数年前からは、日本酒を取り巻く状況もテーマとなっています。 *****過去記事***** 日本酒関係  日本酒以外

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