レポート

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日本酒と向き合う〜一般飲食店向けセミナ—にて

2014 09.11
セミナーに講師やゲストとして参加された方々。左から、料飲専門家団体連合会・常勤理事の板場正義さん、「真野鶴」尾畑酒造の尾畑留美子さん、「さとこの酒」田端酒造の長谷川聡子と顧問の和田邦夫さん

この春、所用で高松に行ってきました。お酒の仕事ではなかったのですが、もちろん、「ここはぜひ」という店を地元の方の案内で、伺ってきました。とても素晴らしいお店ばかりでしたので、いずれぜひ、ご紹介したいと思います。

ところで、住宅街にあった宿に帰る途中、いつも遅くまで賑わっているお店がありました。ガラス越しに見た感じ、スタッフも客層も20~030代といったところ。食関係は魚料理など和食中心なのですが、雰囲気はカジュアルなカフェ食堂といった雰囲気、天井は配管も見えるスケルトンで、キッチンも完全にオープン。日本酒も少しは置いているようだ……気になる……。と思いつつ、充分にお酒もお料理も堪能した後ですでに大満足の日が続き……。そして、最終日に、ついに入ってみました。

日本酒との出合いの場

予想通り気さくな対応のスタッフで、ウェルカムな雰囲気、居心地良い空気。予想外だったのが、日本酒のラインナップ。地元香川の「川鶴」「金陵」「悦 凱陣」などを中心に話題のもの含め7種ほどですが、お酒好きも納得の地酒が並びます。スタッフの女の子は日本酒が好きになり始めたところで興味津々。「蔵見学にも行きたいんです」、と、これからが楽しみです。

もちろん日本酒の他に、ビール、カクテル、酎ハイ、果実酒など各種あり、奥では団体さんがそれぞれ好みのお酒で賑やかに盛り上がっています。

いわゆる、日本酒に特に興味もなかった人が日本酒に出会うのは、きっとこんなお店なんだろうなぁ。

仲間の誰かに勧められ、「えーっ、日本酒ですかぁ~?」と思っても、その時においしいお酒がおいしい状態で出されたら、きっとそれまでの見方は変わりますよね。

そんなことを思っていた矢先、「くらままプロジェクト」に参加されている新潟県・尾畑酒造の五代目蔵元で専務の尾畑留美子さん、和歌山県・田端酒造の次期七代目蔵元で技師の長谷川聡子さんがセミナーのゲストに呼ばれた、しかも、参加するのはこれから意欲的に日本酒を取り入れようとしている飲食店さんたち、という情報が入り、取材に伺いました。

場所は、銀座のイタリアンレストラン「砂漠の薔薇」、主催は飲食店専門酒屋の河内屋さん。若い世代の方々にも日本酒を身近に楽しんでもらえるように、飲食店の方々と協力して展開したいということで、飲食店向けのセミナーに力を入れていきたいそうです。当日は、田端酒造の顧問・和田邦夫さんも長谷川さんと一緒に参加されていました。

セミナーは、まず初めに、2 つの蔵が酒造りの様子や思いを、映像を用いながら解説されました。尾畑さんは、佐渡という島での酒造りと海外展開について。長谷川さんは、母の実家である酒蔵が後継者のいないため廃業の危機にあったのを見て、跡を継ぐことを決意し蔵に入ったという中での苦労と酒造りの喜びをーー。そういったことを蔵元さんから直接聞くのは、ほとんどの方が初めてだったようです。

続いてNPO法人FBO料飲専門家団体連合会役員常勤理事の板場正義氏による日本酒についての解説。日本酒の分類や酒器による味わいの違い、料理と合わせる日本酒の選び方、など。最後に料理とのマリアージュを試します。先の解説を参考にしつつ、実際に自分で合わせて、考えてみるというプログラムです。サンプルとして小皿で出された8種類の料理に「真野鶴辛口純米酒」「真野鶴純米吟醸」「さとこの酒」「羅生門純米」と合わせてみます。

プロの方たちですから、合うか合わないかは各自で判断します。和食店、洋食店問わず参加されていて、真剣に考えながらもいろいろ試しているようでした。そして、試飲を終えた後も、蔵元さんと真剣に話し合う姿が見られました。

「ほら、今、日本酒を入れないと」という一般飲食店での声も良く耳にしますが、
40名の定員もほどなく埋まったとのことで、一般飲食業界の日本酒に対する興味の高さも伺えました。
蔵元さんの紹介と交流、日本酒の製造方法と特徴、そしてマリアージュ。2時間という短時間の中で、入門編としてコンパクトにまとめられ、蔵元さんのお話しは、お二人とも映像を用意されていたので伝わりやすかったようです。その中でも、洋食中心に8種類という料理が出されたマリアージュのコーナーに時間を割いてあったのは、業界向けらしいですね。
そこから、さらに興味を持って様々なお酒を試して、自信を持って勧めていっていただければと思います。

尾畑酒造 http://www.obata-shuzo.com/home/
田端酒造 http://www.rashomon-kuramoto.co.jp/
河内屋 http://kawachiya-web.co.jp/

初心者向け、マニア向けなど、日本酒のセミナーもいろいろありますが、最近、参加して興味深かったものなどを、引き続き、ご紹介しようと思います。

日本酒と向き合う〜一般飲食店向けセミナ—にて

written by伝々

【伝々(でんでん)】こと、ライターの伝農(でんのう)浩子です。 音楽雑誌編集部や旅行を扱う編集プロダクションを経てフリーランスに。 国内外を扱うガイドブックで取材スタッフを続けた後、人物インタビュー、中でも日本に住み日本の伝統文化を継いでいる外国人、日本の伝統文化を海外に広めている人などを、また、ビアトリクス・ポターと「ピーターラビット」シリーズなどをテーマに取材、執筆、撮影。 その一方で、1993年から、ある日本酒の会の試飲会を手伝い、幸せそう〜に帰っていく人たちを見送ってきました。数年前からは、日本酒を取り巻く状況もテーマとなっています。 *****過去記事***** 日本酒関係  日本酒以外

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