箸休め

Sake-break

私のお酒の選び方

2017 02.16

新酒の季節到来!!

立春も終わり、新酒の季節到来です。最近は環境を整えて四季醸造している蔵も増えてきたり、年末から新酒を出荷する蔵もありますが、やはり2月になるとたくさんの蔵からどんどんと新酒が出荷されます。いろいろな雑誌が日本酒特集をするのもこの時期が多いですね。酒屋さんにも「にごり酒」や「直汲み」など今の時期ならではのお酒も多く店頭に並んでついついたくさん買ってしまいませんか。いつも美味しくいただいている銘柄も「今年のできはどうなんだろう」と期待でワクワクしますよね。
そんな中、どのお酒を呑んでみようかと悩むことも多いのではないでしょうか。「今だけ」とか「季節限定」なんて言葉は魅力的ですから。。。。そこで私の家呑み酒を買う時の考え方は「造り手で選ぶ」です。なんて当たり前でしょと言わないで読んでみてください。

造り手で選ぶ

私には「毎年購入するお酒」というのがあります。
きっかけは以前暮らしていた町の近くの山の奥にある大阪府の秋鹿酒造という蔵に出会ったことです。蔵の山の麓(と言ってもだいぶ麓ですが)にある酒屋さんで秋鹿酒造のお酒に出会いました。2002年のことです。そのラベルに「能勢産山田錦100%」と書いてありました。この”能勢産”(注:秋鹿酒造は大阪府豊能郡能勢町倉垣にあります)が気になって次に「純米吟醸 倉垣村」を購入しました。このラベルには「第四〇五九四號 酒類製造免許鑑札 明治拾九年十月廿日 大阪府摂津國能勢郡 倉垣村千七番地 奥鹿之助」という文字がメインで書かれています。「奥鹿之助」さんって誰だろうという疑問から蔵元さんや杜氏さんということが気になり、いくつか買ったのちに同じ酒屋さんから薦められて「摂州倉垣 千石谷」と「能勢の厳寒仕込み手造り限定五千本」という銘柄を買いました。これはどちらも”春”と”秋”にだけ出荷される純米吟醸酒です。
現在は関東で暮らしていますが、毎年春と秋にはこの酒屋さんが往復はがき(!)を送ってくれるのでそれで注文しています。この話を書こうと考えていたら、今年の春のお酒のお誘いが昨日届きました。すぐに今日返信を送りました。

秋鹿酒造のラベル。割と文字が多いラベルです。

こうして毎年2回、私は秋鹿の同じ銘柄を呑みます。今では我が家の年間行事です。こうして続けていると年によって味が違うように感じてくるから不思議なものです。日本酒はワインと比べると造り手の工夫により一般的に同じ造りの同じ銘柄では醸造年度の違いが非常に小さいと言われますし、横に並べて比べて呑んでいるわけではないので本当に違うのかはわかりません。もしかしたら飲み手である私の味覚が変わったのかもしれません。それらいろいろなことを含めて今の自分がどう感じるのかの指標として考えています。また千石谷のラベルにはいろいろなお酒の数値情報が書かれています。自分の感じ方と数字の変化も見比べることができるわけです。
私は残念ながら秋鹿酒造を訪問したことはありませんが、関西にいたころからたくさん秋鹿酒造のお酒を呑むことで、その味の個性に惹かれ、また山田錦の栽培から手掛ける一貫造りにも非常にひかれたことから買い続けています。ということで家呑みのお酒の選び方として「決めた造り手のお酒を買い続ける」という非常によくある話を実践しています。

最近の造りての選び方

ここ数年は、このコラムにも書かせていただいた仁井田本家(福島県)、美吉野醸造(奈良県)、吉田酒造(石川県)、世界一統(和歌山県)の様に蔵を訪問させていただく機会に恵まれ、造り手の方と何度かお話をさせていただけたことで造り手の考え方や姿勢、人柄などを実感することが増えました。そうなると蔵のことを思い出してみたり、どう考えて造ったのかなと勝手に想像しながら吞むという楽しみができます。前述の秋鹿酒造とは別の意味で「この造り手(杜氏)のお酒を買おう!」ということで選ぶことになります。
この四蔵のお酒も年間何本も購入します。「この味!」と立ち戻ったり、「去年から変えてきている!」(本当のところは聞いていないのでわかりませんが)と考えたりという楽しみがあります。

昨年、吉田酒造の若手、吉田泰之さんがある会社のプロデュースした企画で「今注目の若手蔵元杜氏3人」に選ばれ「今期最も自信のある酒をボトリングする至高の日本酒ブランド”Stars”」というものに挑戦されました。これはクラウドファンディングという形でお金を出資して、それでこのブランドのお酒を醸すという企画でしたので、私はすぐに投資。夏ごろに送られてくるお酒を楽しみに待ちました。実際は7月に送られてきましたが、「なぜ7月なの」ということはさておき(私も疑問ですが)、彼がこの様な企画にどう考えて取り組み、どんなお酒を醸すのかということをとても期待しながら待ったので、その待ち時間までもが楽しめました。最近は、クラウドファンディングでお酒造りを支援するといった形も増えてきています。これはこれからも一つの楽しみ方になりますよね。もちろん投資なので結果がどうなるかは分からないことは承知の上で出資してくださいね。

(左上)吉田酒造 吉田蔵you (中上)美吉野醸造 花巴 (左下)仁井田本家 自然酒 (中下)世界一統 南方 (右)Cloud Funding “Stars Blue”

最後に

日本中に非常にたくさんの銘柄が存在する日本酒は、どれを呑んでいいかわからない、買うとなったら更に迷うという方はたくさんおられると思います。お店でお勧めを聞くことも一つの方法ですし、利き酒ができるお店で購入するという方法もあります。試飲会もいいですね。最近は、飲食店でもお店ならではの付加価値をつけて日本酒を提供するところも出てきています。それも「またここで呑もう」と考えるには非常に良いことですが、日常的にどっぷり家呑みを推奨したい私としてはやはり「手ごろな価格で購入できること」が大きな基準になります。その中でどう楽しむかを考えていきたいと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。
今年は今まで訪問したことがない蔵を訪問して楽しみを増やしていきたいです。増えていくと買い続けたいお酒が増えて困るという側面もありますけどね・・・・

注)ラベルの写真はすべて本人が購入したお酒のラベルです。

私のお酒の選び方

written byけんけん

けんけんこと、岡 健一郎(おか けんいちろう)です。日本酒を飲み始めて20年。年を追うごとに日本酒が好きになっていき、今では周りの若い人に日本酒を薦めています。普段は全く日本酒とは関係のない仕事をして、夜には呑みに行ったり、家呑みしたりの日々を過ごしていました。また日本酒ラベルのコレクターでもあります。 sakefanサイトをご覧いただいている多くの方と同じ立ち位置からの発信をしていければと思って始めたこのコラムですが、勤めていた会社を辞めて日本酒に関係のある仕事をメインにしていこうと模索している現在です。

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